「ジムは続かなかったけれど、バドミントンなら続けられそう」という人は少なくありません。この記事では、バドミントンで消費するカロリーの目安を公的な資料の数値で計算し、体重がどのくらい変わるのか、続けるときに気をつけることをまとめます。
先に結論を書くと、バドミントンは「楽しく続けられる運動」としては優秀ですが、週1回の練習だけで体重が大きく減ることは期待しにくいです。体重を落としたいなら、食事の見直しと組み合わせることが前提になります。

バドミントンの消費カロリーの目安
運動の強さは「メッツ(METs)」という単位で表します。安静に座っている状態が1メッツで、その何倍のエネルギーを使うかを示す数字です。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」の参考資料(運動のメッツ表)では、バドミントンは5.5メッツとされています。
消費カロリーは、次の式でおおまかに計算できます。
消費カロリー(kcal)≒ 1.05 × メッツ × 運動時間(時間)× 体重(kg)
この式で、バドミントンを1時間続けた場合を計算すると次のとおりです。
| 体重 | 1時間あたりの消費カロリー(5.5メッツで計算) |
|---|---|
| 50kg | 約290kcal |
| 60kg | 約350kcal |
| 70kg | 約400kcal |
| 80kg | 約460kcal |
ただし、これは「1時間ずっと打ち続けた場合」の数字です。サークルの練習では、準備・片付け・順番待ち・休憩の時間があるので、2時間の練習でも実際に動いている時間はそれより短くなります。また、この数字には安静にしていても使う分が含まれているので、「運動したことで余分に使った分」はもう少し小さくなります。
ほかの運動との比較
同じメッツ表から、よく比べられる運動を並べると次のとおりです。
| 運動 | メッツ |
|---|---|
| テニス(ダブルス) | 4.5 |
| バドミントン | 5.5 |
| ゆっくりとしたジョギング | 6.0 |
| ジョギング | 7.0 |
| テニス(シングルス) | 7.3 |
| 水泳(クロール、ふつうの速さ) | 8.3 |
バドミントンは、ゆっくりとしたジョギングに近い強さの運動です。シングルスの試合形式など、休まず動き続ける練習ではこれより強くなり、基礎打ち中心の軽い練習では弱くなります。
体重はどのくらい変わるのか
体脂肪1kgは、およそ7,200kcalに相当するといわれます。これを使って、体重60kgの人が食事を変えずにバドミントンだけを続けた場合を計算してみます。
- 1時間あたり、安静時より余分に使うのは約280kcal((5.5 − 1)× 1.05 × 60kg)
- 週1回・実際に動く時間が2時間なら、1週間で約570kcal
- 7,200kcal に届くのは約13週間後。3か月ほどで体脂肪1kg分が目安になる
もちろん体の変化には個人差があり、運動した日に食べる量が増えれば、この差はすぐに埋まってしまいます。バドミントンだけで体重を落とそうとするより、「運動の習慣を作る」「食事を見直す」の2つを組み合わせるほうが現実的です。
ダイエット目的で続けるときのコツ
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に対して「息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上」行うこと、あわせて筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しています。バドミントンの練習に週1回参加するだけでも、運動の目安の時間には届きます。
そのうえで、消費を増やしたい人は次の点を意識します。
- 回数を増やす:週1回より週2回のほうが、消費も上達も積み上がる
- 動いている時間を増やす:待ち時間の多い練習会より、コート数に対して人数が多すぎない練習を選ぶ
- 試合形式やシングルスを入れる:基礎打ちだけの日より動く量が増える
- 練習のない日も歩く:通勤や買い物で歩く時間を少し増やすだけでも、週の活動量は変わる
いきなり頻度や強度を上げると、ふくらはぎ・膝・肩を痛めやすくなります。久しぶりに運動する人は、まず週1回を1〜2か月続けて、体が慣れてから増やしてください。
太もも・お腹・二の腕を引き締めたい人へ
「太ももだけ細くしたい」「お腹まわりを落としたい」という相談はよくありますが、特定の部位の脂肪だけを狙って落とすことは難しいとされています。体脂肪は体全体で少しずつ減っていくので、部位を選ぶことはできません。
一方で、バドミントンでよく使う筋肉はあります。
- 太もも・お尻:前後への踏み込み、低い姿勢での構え、ジャンプの着地
- お腹・背中(体幹):体をひねってラケットを振る動き、踏み込んだあとに体を支える動き
- 腕・肩:ラケットを振る動き。利き腕のほうが多く使う
始めたばかりの頃に「太ももが太くなった気がする」と感じる人もいますが、筋肉の張りやむくみの影響もあります。練習後のストレッチで脚をほぐしておくと、翌日の張りが残りにくくなります。ストレッチのやり方はバドミントン前後のストレッチにまとめています。
見た目を引き締めたい場合も、体重を落とす場合と同じで、運動の習慣と食事の見直しを両方続けることが近道です。
食事で気をつけること
- 練習後の食べすぎ:体を動かしたあとは食欲が増えます。「今日は運動したから」と量が増えると、消費した分はすぐに戻ります
- 練習前は軽く食べておく:空腹のまま打つと、途中でふらついたり集中力が落ちたりします。練習の1〜2時間前に、おにぎりやバナナなど消化のよいものを少し食べておくと動きやすくなります
- 水分はこまめに:体育館は夏に暑くなりやすく、汗で水分が失われます。のどが渇く前に少しずつ飲みます
- 極端な食事制限はしない:食事を大きく減らしたまま激しく動くと、体調を崩す原因になります
持病がある人や、食事制限の指導を受けている人は、主治医の指示を優先してください。
始める前の注意点
- 長く運動していなかった人、持病がある人は、始める前にかかりつけの医師に相談する
- 練習前の準備運動と、練習後のストレッチを省かない。怪我を減らす考え方はバドミントンの怪我予防にまとめています
- 体育館用のシューズを用意する。ランニングシューズは横の動きで滑りやすく、足首をひねる原因になります。選び方はバドミントンシューズの選び方を参照してください
- 痛みがあるときは休む。痛みが続く場合は整形外科を受診する
よくある質問
バドミントンで痩せますか?
運動としての消費カロリーはあり、体重60kgの人が1時間打ち続けると約350kcalが目安です。ただし週1回の練習だけでは体重の変化は小さく、食事の見直しと組み合わせることが前提になります。
週に何回やればいいですか?
厚生労働省のガイドでは、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上行うことが推奨されています。まず週1回を続け、体が慣れてから回数を増やすのが安全です。
太ももやお腹だけを細くできますか?
特定の部位の脂肪だけを狙って落とすことは難しいとされています。体脂肪は体全体で減っていくので、運動の習慣と食事の見直しを続けることが近道です。
練習の前後は何を食べればいいですか?
練習の1〜2時間前に、おにぎりやバナナなど消化のよいものを少し食べておくと動きやすくなります。練習後は食べすぎに気をつけ、水分はこまめにとります。

