ダブルスでペアとぶつかる、真ん中の球を2人で見送ってしまう、どこに立てばいいか分からない——こうした悩みの多くは、「いまは攻めか守りか」を2人で共有できていないことから起きます。
ダブルスの動き方は、攻めの陣形(トップ&バック)と守りの陣形(サイドバイサイド)の2つを、ラリーの流れに合わせて切り替える「ローテーション」が基本です。この記事では、2つの陣形、切り替えのきっかけと動き方、前衛と後衛の役割、ペアで決めておくこと、よくある失敗までをまとめました。
2つの陣形
| 陣形 | 並び方 | 使う場面 | ねらい |
|---|---|---|---|
| トップ&バック | 縦に並ぶ(1人が前、1人が後ろ) | 自分たちが攻めているとき | 後衛が打ち下ろし、前衛が浮いた球を決める |
| サイドバイサイド | 横に並ぶ(左右に分かれる) | 相手に攻められているとき | コートを左右半分ずつ受け持ち、スマッシュを受ける |

トップ&バック(攻めの陣形)
後衛がコートの後ろからスマッシュやドロップで打ち下ろし、前衛がネット前で待ちます。相手の返球が浮いたら前衛がプッシュで決める、というのが基本の形です。前衛はコートの中央付近、ショートサービスラインの少し後ろあたりに立ち、ラケットを上げて構えます。
サイドバイサイド(守りの陣形)
2人が横に並び、コートを左右半分ずつ受け持ちます。相手のスマッシュを2人で受ける陣形で、ラケットを胸の前に構えて低く待ちます。真ん中の球をどちらが取るかは、あらかじめ決めておく必要があります(後述)。
攻めと守りの切り替え(ローテーション)
陣形は固定ではありません。シャトルを上げたか、上げられたかで切り替えます。
切り替えのきっかけ
- 攻めの陣形(トップ&バック)へ:相手がロブやクリアで球を上げてきたとき、相手の返球が甘く浮いたとき
- 守りの陣形(サイドバイサイド)へ:自分たちがロブやクリアで球を上げたとき、相手にスマッシュを打たれそうなとき
覚え方は「上げたら横、上げられたら縦」です。
攻めから守りへの流れ
- 後衛がスマッシュ、前衛はネット前で待つ(トップ&バック)
- 相手がレシーブで奥へロブを上げる
- 後衛がそのまま奥からクリアやロブで返す
- 前衛が下がり、2人とも横並びになる(サイドバイサイド)
- 相手のスマッシュに備える
守りから攻めへの流れ
- 2人が横並びでスマッシュを受ける(サイドバイサイド)
- 相手のスマッシュを、ネット前に短く返す、またはドライブで低く返す
- 前に返した人がそのまま前に詰め、もう1人は後ろへ下がる
- 縦並びになる(トップ&バック)
- 後衛が上がってきた球を打ち下ろして攻める
サーブ・レシーブのあとの陣形
- ショートサーブを打ったとき:サーブを打った人がそのまま前衛に残り、ペアは後ろを受け持つ(トップ&バック)
- ロングサーブを打ったとき:球を上げたことになるので、2人とも横並びになって相手の攻撃に備える(サイドバイサイド)
- ショートサーブをネット前に返したとき:レシーブした人がそのまま前に詰め、ペアは後ろへ下がる
- レシーブでロブを上げたとき:2人とも横並びになって守る
ドライブの打ち合いになったとき
ネットと平行な低い球の打ち合いでは、2人ともコートの中ほどで並び、速い球で押し合います。相手の返球が浮いたら、前にいる人がネットに詰めて攻めの縦並びへ。自分たちが浮かせてしまったら、横並びに戻って守ります。
動くときの決まりごと
- 打った人が、そのコースの担当になる:前に落とした人は前へ、奥で打った人は後ろへ
- 後ろを取った人が後衛、前を取った人が前衛
- ペアが動いたら、空いた場所を埋めるように自分も動く
- ペアの位置は、打ったあとに横目で確認する
前衛と後衛の役割
前衛の役割
- ネット前に来た球を、プッシュやヘアピンで処理する
- 後衛の打ち下ろしに対する、相手の浮いた返球を決める
- 相手の前衛にプレッシャーをかけ、ネット前で主導権を取る
- 自分の頭を越えた球は、無理に追わず後衛に任せる
後衛の役割
- スマッシュ・ドロップ・クリアで、相手を下げたり崩したりする
- 前衛が決められる球を作るための配球をする
- ラリーが続いても打ち続けられるよう、打ったらすぐ次の構えに戻る
ダブルスでよく使う攻め方
- ロブをむやみに上げない:上げると相手に攻める機会を渡すことになります。ドライブやプッシュなど、速く低い球で展開する
- 相手の2人の間(センター)を狙う:どちらが取るか迷いやすく、甘い返球を引き出しやすい
- 相手の苦手なほうに集める:バックハンドが苦手な人、動きが遅い人など、相手の苦手な側を見つけて打つ
ペアで決めておくこと
ダブルスの失敗の多くは、試合の前に2人で決めておけば防げます。
- 真ん中の球をどちらが取るか:例「フォア側にいる人が取る」「攻めているときは前衛は触らず後衛が取る」
- サーブ・レシーブのあと、どちらが前に出るか:ショートサーブを打った人がそのまま前衛、など
- 声のかけ方:「はい」「任せ」「後ろ」など、自分が取る合図と任せる合図をそろえる
- 苦しいときの約束:守りが続いたら高く奥へ返して立て直す、など
- 相手の情報:相手の得意なショット、苦手なコースを共有する
試合中のペアとの声かけや、うまくいかないときの立て直し方は試合のメンタル(ペアとの関係)にまとめています。
陣形とは別に、サーブを打つ人とレシーブする人の順番はルールで決まっています。点数ごとの立ち位置はダブルスのサーブの順番の記事で、得点の例を使って説明しています。
よくある失敗
| 失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 2人が同じ場所に固まる | 空いたところを狙われる | 陣形(縦か横か)を常に意識する |
| 真ん中をお互いに譲る(お見合い) | 簡単な球を落とす | 真ん中の担当を先に決め、声をかける |
| 陣形の切り替えがばらばら | 1人だけ下がる・前に出る | 「上げたら横、上げられたら縦」を2人で共有する |
| ペアの位置を見ていない | ぶつかる・同じ球を追う | 打ったあとにペアの位置を横目で確認する |
| 前衛が頭を越えた球を追う | 後衛とぶつかり、前が空く | 頭を越えた球は後衛に任せる |
| 自分の範囲以外に手を出す | ペアの邪魔になる | 自分の受け持ちを守ることを優先する |
練習のしかた
- 陣形を声に出すラリー:「縦」「横」と声に出しながらラリーをして、切り替えのタイミングをそろえる
- ノックからの切り替え:ロブを上げたら横並び、相手に上げさせたら縦並び、を繰り返す
- 2対1の練習:1人が上げ続け、2人がトップ&バックで攻め続ける。攻めの形に慣れる
一歩目の出し方はフットワークの基本、守りの陣形で受けるレシーブはスマッシュレシーブのコツで解説しています。
よくある質問
ダブルスで真ん中の球はどちらが取りますか?
決まった正解はなく、ペアで決めておくことが大切です。例として「フォア側にいる人が取る」「攻めているときは後衛が取る」などがあります。決めたら声をかけ合って、お見合いを防ぎます。
攻めの陣形と守りの陣形は、いつ切り替えますか?
自分たちが球を上げたら守りの横並び、相手に球を上げさせたら攻めの縦並び、が基本です。「上げたら横、上げられたら縦」と覚えておくと切り替えやすくなります。
前衛はどこに立てばいいですか?
攻めているときは、コートの中央付近、ショートサービスラインの少し後ろあたりでラケットを上げて構えます。ネットに近づきすぎると、頭の上を越される球に対応しにくくなります。
ロングサーブを打ったあとは、どう動けばいいですか?
ロングサーブは球を上げたことになるので、2人とも横並びになって相手のスマッシュに備えます。ショートサーブのときは、打った人が前衛に残ります。
まとめ
- ダブルスの陣形は、攻めのトップ&バック(縦)と守りのサイドバイサイド(横)の2つ
- 切り替えは「上げたら横、上げられたら縦」
- 打った人がそのコースの担当。後ろを取った人が後衛、前を取った人が前衛
- 前衛は決める、後衛は崩して作る
- 真ん中の担当・サーブ後の動き・声のかけ方は、試合の前に2人で決めておく

