バドミントンのガットのテンション目安|初心者・女性・中学生・縦横の違いまで

バドミントンのガットのテンション目安 ガット・ストリング

ガットのテンション(張りの強さ)は、ラケット選びやガット選びと同じくらい、打ちやすさを左右します。ただ、「何ポンドにすればいいか」はお店で急に聞かれることが多く、なんとなく決めてしまいがちです。

この記事では、テンションの決め方を1本にまとめました。最初にレベル別の目安を示し、そのあとで数字の意味、高い・低いの違い、縦と横の差、店での伝え方まで順に説明します。ガットの製品選びは別の記事で扱います。

結論:迷ったらこのテンションから始める

テンションは、自分のラケットの「推奨張力」の範囲の中で決めるのが大前提です。そのうえで、始めたばかりの人は範囲の下のほう、慣れてきたら少しずつ上げる、という順番で考えます。

レベル・状況目安の範囲(ポンド)理由
始めたばかりラケットの推奨範囲の下のほう(初級向けモデルなら18〜20前後)低めのほうがシャトルが飛びやすく、芯を外しても届きやすい
サークルで週1回程度推奨範囲の下〜真ん中(初級〜中級向けモデルなら20〜22前後)飛びとコントロールのバランスが取りやすい
試合に出る推奨範囲の真ん中〜上(22〜25前後から試す)強く振れる人は高めのほうが狙った所に運びやすい
中学生の部活推奨範囲の下のほう(18〜21前後)振る力がこれから伸びる時期。まず届くことを優先する
力に自信がない推奨範囲の下限寄りスイングが速くない人ほど、低めのほうが飛ばしやすい

この表の数字は、ヨネックスが公式サイトで公開している各ラケットの推奨張力をもとにしています。たとえばヨネックスが「初級」向けとしているアークセイバー1やアストロクス33の推奨張力は17〜23ポンド前後、「中級」向けが中心のアストロクス70は18〜26ポンド、「上級」向けのアストロクス99 PROは4Uで20〜28ポンドです(2026年9月時点)。表の「前後」の数字は、この範囲の中でどのあたりから始めるかを示したもので、メーカーが「この人は◯ポンド」と指定しているわけではありません。

自分のラケットの推奨範囲を超える数字は、この表に当てはまっても選ばないでください。 理由は次の節で説明します。

テンションが決まったら、次はガットの種類です。反発重視・耐久重視などの違いはガットの種類とおすすめの記事で比べています。

そもそもテンションとは

テンションは、ラケットにガットを張るときに、ガットをどれくらいの力で引っ張って張るかを表す数字です。数字が大きいほど強く引っ張って張るので、ガット面は硬くなります。数字が小さいほど面は柔らかくなります。

ポンド(lbs)とキログラムの関係

バドミントンのテンションは、ふつうポンド(lbs)で表します。1ポンドは約0.45キログラムです。つまり、20ポンドは約9.1キログラム、22ポンドは約10キログラム、25ポンドは約11.3キログラムの力で引っ張って張る、という意味になります。

お店によってはキログラムで案内されることもあります。「10キロ」と言われたら22ポンド前後のことだと考えれば、ほぼ合っています。1ポンドの差は約0.45キログラムなので、数字の感覚としては「1ポンド上げる=少しだけ硬くする」くらいの幅です。

ラケットごとに「推奨テンション」が決まっている

どのラケットにも、メーカーが決めた推奨張力(推奨テンション)があります。ヨネックスは、推奨張力を各ラケットに記載していると案内しています。ラケット本体の「lbs」と書かれた部分を探すと見つかります。見つからないときは、メーカーの公式サイトで製品名を検索すれば仕様の欄に載っています。

ヨネックスは、推奨張力を超えて張ったり、フレームの形を崩すような張り方をしたりすると破損の原因になると注意しています。高いテンションは、ラケットのフレームに大きな力をかけ続けることになるからです。推奨範囲を超えて張って壊れた場合、保証の対象になるかどうかはメーカーや店の判断になりますが、少なくとも「メーカーが勧めていない使い方」になります。

同じシリーズでも重さ(3U・4Uなど)によって推奨範囲が違うモデルがあります。たとえばアストロクス99 PROは、4Uが20〜28ポンド、3Uが21〜29ポンドです。中古や譲ってもらったラケットを使う場合は、重さの表記も確認してください。ラケットの重さやバランスなど、選び方の基本はラケットの選び方の記事にまとめています。

テンションが高いとき・低いときの違い

テンションを変えると、打ったときの感覚が大きく変わります。違いを表にまとめます。

項目高め(硬く張る)低め(柔らかく張る)
飛び自分の力で飛ばす必要があるガットのたわみでシャトルが飛びやすい
コントロール強く振ったときに狙った所に運びやすい力を入れると飛びすぎることがある
打球感硬く、シャトルがすぐ離れる感じ柔らかく、シャトルがガットに乗る感じ
手首や肘への負担衝撃が手に伝わりやすいと言われる衝撃がやわらぎやすいと言われる
ガットの切れやすさ張った時点でガットが強く引っ張られているため、切れやすくなる比較的切れにくい

低いテンションでは、ガットが大きくたわんでからシャトルを押し出すので、軽い力でも飛びやすくなります。反対に高いテンションでは、ガットのたわみが小さいので、自分のスイングの速さがそのままシャトルの速さになりやすく、強く振れる人は狙った方向に打ち込みやすくなります。

高めと低めのどちらが自分に合っているか迷ったときは、クリア(コートの奥へ高く打ち返すショット)の落ちる位置を見るとわかりやすくなります。しっかり振ったのに相手コートの奥まで届かないことが多いなら、今のテンションは自分には高すぎる可能性があります。反対に、軽く打ってもバックラインを越えてしまうことが多いなら、低すぎる可能性があります。

手首や肘への負担については、硬く張ると打った瞬間の衝撃が手に伝わりやすいと言われています。肘の負担が気になる人向けに、テンションとガットの選び方を肘に優しいガットの記事で詳しく説明しています。

高いテンションが向く人

  • スイングが速く、シャトルを強く打ち込める人
  • 低いテンションだとシャトルが飛びすぎてアウトが増える人
  • スマッシュやドライブの速さより、狙ったコースに打つことを優先したい人

高めにすると、ガットが自分の力をそのまま伝えてくれる感覚になります。そのぶん、芯を外したときや振り遅れたときには、シャトルが途中で失速しやすくなります。

低いテンションが向く人

  • 始めたばかりで、後ろまでシャトルが届かない人
  • スイングの速さに自信がない人、ブランクがある人
  • 長くガットを使いたい人

低めにすると、奥までシャトルを飛ばしやすくなり、ラリーが続きやすくなります。練習の楽しさという点でも、最初は低めから始める意味があります。

よくある誤解:「上級者=高テンション」ではない

「上手な人ほど高いテンションで張っている」と聞いて、最初から高めにする人がいます。ですが、テンションは上手さの証明ではなく、自分のスイングの速さに合っているかで決めるものです。

トップ選手が高めに張るのは、スイングが非常に速く、低いテンションだと飛びすぎるからだと一般に説明されています。スイングが速くない人が同じテンションにすると、シャトルが届かず、ラリーが続かなくなります。飛ばそうとして力むと、フォームが崩れる原因にもなります。上達すればするほど高くしなければいけない、ということもありません。

レベル・体格別の目安

ここからは、状況ごとにもう少し具体的に考え方を説明します。どの場合も、自分のラケットの推奨範囲の中でという前提は変わりません。

初心者・始めたばかりの人

始めたばかりの時期は、シャトルを奥まで飛ばすこと自体が難しいので、推奨範囲の下のほうから始めるのが無難です。初級向けのラケットなら、18〜20ポンド前後が目安です。

ガットが最初から張ってある「張り上げ済み」のラケットを買った場合は、そのまま使って問題ありません。張り上げ済みのテンションは製品によって違うので、気になる場合は購入した店で確認してください。最初のガットが切れて張り替えるときに、自分でテンションを選ぶ、という流れで十分です。

週1回程度のサークル・社会人プレーヤー

サークルで週1回程度打っていて、クリアが奥まで届くようになってきたら、推奨範囲の下〜真ん中が目安です。初級〜中級向けのラケットなら、20〜22ポンド前後がこの位置にあたります。

このレベルで大事なのは、周りの人の数字に合わせないことです。同じサークルの経験者が24ポンドで張っていても、自分に合うとは限りません。「最近シャトルが飛びすぎてアウトが増えた」と感じたら1〜2ポンド上げ、「奥まで届きにくい」と感じたら下げる、という調整を繰り返すのが近道です。

女性・力に自信がない人

「女性だから低めに」と決めつける必要はありません。テンションを決めるのは性別ではなく、スイングの速さです。力に自信がない人、腕を速く振るのが苦手な人は、性別にかかわらず推奨範囲の下限寄りが合いやすくなります。

逆に、女性でもスイングが速い人は、低すぎるとシャトルが飛びすぎてコントロールしにくくなります。迷ったら真ん中より少し下から始め、打ちながら調整してください。

中学生・部活を始める人

部活を始める中学生は、これから体も振る力も伸びていく時期です。最初は推奨範囲の下のほうで、シャトルが届くことを優先してください。部活によっては顧問や先輩からテンションの指定がある場合もあるので、先に確認しておくと安心です。

保護者の方がお店で張り替えを頼むときは、次のように伝えれば十分です。

「中学校の部活で始めたばかりです。このラケットの推奨範囲の中で、低めのテンションでお願いします。ガットはおすすめのもので構いません」

これだけで、店員さんがラケットの推奨範囲を確認し、始めたばかりの人に合う数字を提案してくれます。

経験者・学生時代にやっていた人の再開

学生時代にやっていて、久しぶりに再開する人は注意が必要です。当時と今では、使うラケットもガットも変わっていることがほとんどです。ラケットが変われば推奨範囲も変わるので、昔の数字がそのまま今のラケットに当てはまるとは限りません。

また、ブランクの間に体力やスイングの速さも変わっています。当時のテンションを覚えていても、いきなり同じ数字にはせず、2〜3ポンド下げたところから始めるほうが無難です。体が慣れてきたら、少しずつ当時の感覚に近づけてください。

縦と横のテンションの違い

お店で「縦◯ポンド・横◯ポンド」と言われて、戸惑ったことがある人もいるかもしれません。ここでは縦と横の違いを説明します。

ラケットのガットは、縦方向(シャフトと同じ向き)と横方向に張られています。縦のガットは長く、横のガットは短いものが多い、という違いがあります。同じ力で引っ張っても、長さが違うとガット面の硬さの感じ方が変わるため、縦と横で数字を変えて張ることがあります。

ヨネックスは、推奨する張り方として「縦のガットの張力に対して、横のガットは10%高くする。ただし最後の5本は縦と同じ張力で張る」と案内しています。張り上げたときにラケットのフレームの形を保つためのテンションの調整、という説明です。また、ヨネックスの推奨張力は縦のガットを基準にした数値だとしています。

つまり、「22ポンド」と伝えた場合、縦が22ポンドで、横はそれより少し高く張られるのが、ヨネックスの推奨する張り方です。店によっては「縦22・横24」のように、横を1〜2ポンド高くして案内するところもあります。これも、横を少し高くするという考え方は同じです。

では、自分で縦と横を細かく指定する必要があるかというと、ほとんどの人は不要です。テンションの数字を1つ伝えれば、店がラケットに合わせて縦と横を調整してくれます。縦と横を指定したいのは、次のような場合です。

  • 以前の張り方を正確に再現したい
  • 店を変えたときに、前の店と同じ仕上がりにしたい
  • 自分の好みがはっきりしていて、横の上げ幅も決めたい

こうした場合は、前回の伝票やラケットに貼られたシールを見て、「縦◯・横◯」を控えておくと便利です。

季節・気温とテンション

冬の寒い体育館では、ガットが硬く感じると言われています。気温が低いとガットの素材が硬くなりやすい、という説明がよく聞かれます。反対に夏の暑い体育館では、ガットが柔らかく感じやすいと言われます。

そのため、冬はいつもより少し下げて張る人もいます。ただ、この差を感じるかどうかは人によって違います。季節ごとに変える必要はありませんが、冬に「いつもよりシャトルが飛ばない」と感じたら、テンションを少し下げることを試す価値はあります。

もう1つ、保管にも気をつけてください。ヨネックスは、炎天下の車のトランクのような高温の場所に置くと、ラケットの変形や破損の原因になると注意しています。夏場に車にラケットを置きっぱなしにしないことが大切です。

テンションを変えるときの手順

テンションを変えるときは、いきなり大きく変えないことが一番のコツです。

  1. 1回に変えるのは1〜2ポンドまでにする。 3ポンド以上変えると、違いが大きすぎて、どちらが合っているのか判断しにくくなります
  2. 同じガットで比べる。 ガットの種類とテンションを同時に変えると、どちらの影響なのかわからなくなります。テンションを変えるときはガットをそろえてください
  3. 張った日とテンションを記録する。 スマートフォンのメモに「日付・ガット名・テンション・張った店・感想」を書いておくと、次に張るときの判断材料になります
  4. 何回か練習してから判断する。 張った直後は、ガットが少しずつなじんでいく途中です。1回打っただけで決めず、数回の練習で判断してください

たとえば、21ポンドで張っていて「最近クリアがバックラインを越えてアウトになることが増えた」と感じたとします。この場合は、次の張り替えで同じガットのまま22ポンドにして、数回の練習で様子を見ます。アウトが減って、奥まで届く感覚も残っていれば、22ポンドが今の自分に合っている数字です。反対に、奥まで届かなくなったと感じたら21ポンドに戻します。こうして1ポンドずつ行き来しながら、自分の数字を見つけていくのが確実です。

記録は、たとえば「9月24日 BG65 縦22・横24 ◯◯スポーツ クリアが少しアウト気味」のように1行で十分です。数回分たまると、どのテンションのときに調子がよかったかが見えてきます。

張ってからしばらくたつと、ガットは少しずつ緩んでいきます。張った直後と比べて飛びすぎるようになったと感じたら、張り替えの時期が近いサインです。ガットが切れる理由や、張り替えの時期の目安はガットが切れる理由と張り替え時期の記事で説明しています。

なお、自分で張り機を使って張る人は、テンションのかけすぎによるフレームの破損に特に注意してください。自分で張る場合の道具や流れはガットを自分で張る方法の記事にまとめています。

店で張り替えを頼むときの伝え方

お店で張り替えを頼むときは、次の4つを伝えれば十分です。

  • ガットの種類:製品名がわからなければ「おすすめで」「前と同じもので」でも大丈夫です
  • テンション:「22ポンド」のように数字で伝えます。わからなければ「始めたばかりなので低めで」と状況を伝えます
  • 縦と横:特に希望がなければ「お任せで」で問題ありません
  • 結び目やその他の希望:特にこだわりがなければ伝えなくて大丈夫です

状況別に、伝え方の例を挙げます。

  • 初めて張り替える人:「初めての張り替えです。このラケットの推奨範囲の中で、低めでお願いします」
  • 前回と同じにしたい人:「前回と同じ、縦22・横24でお願いします」(前回の伝票やシールを見せるのが確実です)
  • 少し変えたい人:「前回22ポンドで、少し飛びすぎる気がするので、23ポンドでお願いします」

変えたい理由まで伝えると、店員さんがガットの種類も含めて相談に乗ってくれることがあります。

初めてのお店では、「このラケットの推奨範囲はどのくらいですか」と聞くのもおすすめです。店員さんがラケットの表記を確認してくれるので、推奨範囲を超えて張ってしまう心配がなくなります。

張り替えの料金や、どこで頼めるかについてはガットの張り替えの記事で詳しく扱っています。

張り替えが終わったら、ラケットにテンションのシールが貼られていたり、伝票に数字が書かれていたりします。次回のために、スマートフォンで写真を撮っておくと便利です。

まとめ

  • テンションは、自分のラケットの推奨張力の範囲の中で決める。範囲を超えると破損の原因になる
  • 始めたばかりの人は推奨範囲の下のほう、慣れてきたら少しずつ上げる
  • テンションは上手さではなく、スイングの速さで決める。「上級者=高テンション」ではない
  • 女性だから低く、ではなく、振る力で選ぶ
  • 縦と横は、数字を1つ伝えれば店が調整してくれる。ヨネックスは横を縦より10%高くする張り方を推奨している
  • 変えるときは1〜2ポンドずつ、同じガットで比べ、記録を残す

テンションが決まったら、次はガットを選ぶ段階です。自分に合うテンションとガットの組み合わせが見つかると、同じラケットでもぐっと打ちやすくなります。

一緒に打つ相手を探すなら

テンションを変えたら、実際に何回か打って確かめるのが一番です。練習会やオフ会に参加して、いろいろな相手と打ちながら自分に合う数字を探してみてください。

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