バドミントンラケットの選び方|重さ・バランス・シャフト・グリップ・予算の5つで決める

バドミントンラケットの選び方 ラケット

「最初の1本はどう選べばいい?」——バドミントンのラケットは種類が多く、見た目や値段だけで選ぶと、上級者向けのモデルを買って扱いきれないこともあります。

ラケット選びで見るべき項目は、実はそれほど多くありません。この記事では、重さ・バランス・シャフトの硬さ・グリップの太さ・価格帯の5つの項目について、それぞれ何を表していて、どう判断すればよいかを説明します。具体的な製品の比較は別の記事で扱います。

結論:ラケットは5つの項目で選ぶ

ラケットは、次の5つの項目を順に確認すれば、大きく外すことはありません。

項目初めての人の目安理由
重さ(U表記)4U〜5U軽めで振り遅れにくく、腕への負担も抑えやすい
バランスイーブン〜ヘッドライト寄りラケットを素早く動かしやすく、レシーブで振り遅れにくい
シャフトの硬さ柔らかめ〜普通しなりを使ってシャトルを飛ばしやすい
グリップの太さ(G表記)G5〜G6(手の大きさで調整)細すぎると握りしめやすく、太すぎると握りにくい
価格帯1万〜2万円前後(まず試すなら張り上げ済みの手頃なモデル)初級者向けのモデルが多く、ガットも選べる

この5つのうち、特に大事なのは重さとバランスです。この2つが合っていないと、どんなに評判のよいラケットでも振りにくく感じます。シャフトの硬さとグリップの太さは、その次に確認します。価格帯は、ほかの4つの条件を満たすモデルの中から、予算に合わせて選ぶと考えてください。

5つの項目は、メーカーの製品ページや、ラケット本体の表記で確認できます。重さとグリップの太さは「4U5」のような表記で、推奨張力は「lbs」の表記で、ラケットのシャフトやフレームに書かれていることが多くあります。バランスとシャフトの硬さは、製品ページの商品説明に書かれていることが多いので、店で見る前にメーカーのサイトで候補を調べておくと、店頭で迷いにくくなります。

この条件に合う具体的なラケットは、初心者向けラケットの比較で6本を比べています。

重さ(U表記)

ラケットの重さは「U」という表記で表します。数字が大きいほど軽いラケットです。ヨネックスは、日本バドミントン協会の検定合格品のラケットについて、重さの区分を次のように案内しています(軽い順)。

  • 2F:平均68g
  • F:平均73g
  • 5U:平均78g
  • 4U:平均83g
  • 3U:平均88g
  • 2U:平均93g

1つの区分の差は、平均で約5gです。わずかな差に思えますが、ラケットを何百回も振るバドミントンでは、この差が振りやすさや疲れやすさに表れます。5Uより軽い「F」や「2F」は、さらに軽さを追求した区分で、軽さを最優先したい人向けです。

なお、この数字は「平均」です。同じ4Uでも、ラケットによって数グラムの差があります。また、同じ重さでも、バランスによって振ったときに感じる重さは変わります。ヘッドヘビーのラケットは、同じ4Uでもヘッドライトのラケットより重く感じやすくなります。重さの表記だけで判断せず、次に説明するバランスとあわせて考えてください。

初めての人には、4U〜5Uが目安です。軽めのラケットは振り遅れにくく、長い時間打っても腕が疲れにくくなります。一方で、軽すぎるラケットは、シャトルに勢いをつけにくかったり、強いシャトルを受けたときにラケットが押されたりすることがあります。3U以上の重めのラケットは、振り切れればシャトルに勢いがつきますが、ある程度振る力が必要です。

重さの選び方を、状況別に整理すると次のようになります。

  • 始めたばかり・振る力に自信がない:5U。軽さを優先して、振り遅れを防ぐ
  • サークルで週1回程度・ある程度振れる:4U。軽さとシャトルへの力の伝えやすさのバランスが取りやすい
  • 学生時代の経験者・スイングが速い:3Uも選択肢。ただしブランクがある場合は4Uから始めるのが無難

重さの違いをもっと詳しく知りたい人は、ラケットの重さと長さの記事で、重い・軽いラケットが向く人や、店での確かめ方を説明しています。

バランス(ヘッドヘビー・イーブン・ヘッドライト)

バランスは、ラケットの重さがどこに寄っているかを表します。同じ重さのラケットでも、バランスが違うと振ったときの感覚が大きく変わります。

ヘッドヘビー。 ヘッド(先端)側に重さが寄っているラケットです。振ったときにヘッドの重さが勢いになり、シャトルに力を伝えやすくなります。スマッシュやクリアなど、後ろから強く打つショットを重視したい人に向きます。一方で、ラケットを素早く動かすのは少し苦手で、速い球の打ち合いやレシーブでは振り遅れやすくなります。

ヘッドライト。 手元側に重さが寄っていて、ヘッドが軽いラケットです。ラケットを素早く動かしやすく、ネット前やレシーブ、速いドライブの打ち合いで扱いやすくなります。その代わり、ヘッドヘビーのラケットと比べると、スマッシュの重さは出しにくい傾向があります。

イーブン。 ヘッド側と手元側のどちらにも偏らないバランスです。攻めにも守りにも対応しやすく、クセがありません。

ダブルスとシングルスでの考え方。 ダブルスでは、前後に分かれて素早い打ち合いになる場面が多く、ラケットを速く動かせるヘッドライト寄りやイーブンが扱いやすいとされます。後衛で打ち込む役が多い人はヘッドヘビー寄りを選ぶこともあります。シングルスでは、コートの奥から奥まで打ち返すクリアが多くなるため、飛ばしやすさを重視してヘッドヘビー寄りやイーブンを選ぶ人もいます。ただし、どちらの場合も、振り遅れるほど重いヘッドは逆効果です。

初めての人はイーブン〜ヘッドライト寄りが無難です。まだプレースタイルが決まっていない段階では、クセのないイーブンか、振り遅れにくいヘッドライト寄りから始めて、打ちながら好みを見つけていくのがおすすめです。

店でバランスを確かめるときは、グリップを普段どおりに握って、胸の前で左右に素早く振ってみてください。ヘッドが遅れてついてくるように感じるならヘッドヘビー寄り、手の動きにすぐついてくるならヘッドライト寄りです。何本か持ち比べると、違いがわかりやすくなります。

メーカーによっては、シリーズごとにバランスの傾向がはっきりしています。たとえばヨネックスが公開している「ラケットセレクター」を見ると、アストロクスシリーズはヘッドヘビー側、ナノフレアシリーズはヘッドライト側、アークセイバーシリーズはその間に多く配置されています。メーカーごとのシリーズの特徴は、ラケットメーカーの違いの記事で整理しています。

シャフトの硬さ(フレックス)

シャフトは、グリップとヘッドをつなぐ細い棒の部分です。シャフトの硬さは「フレックス」とも呼ばれ、振ったときにどれくらいしなるかを表します。

柔らかいシャフトは、振ったときに大きくしなり、そのしなりが戻る力でシャトルを飛ばしやすくなります。振る力に自信がない人や、始めたばかりの人でも、奥までシャトルを届けやすくなります。

硬いシャフトは、しなりが小さく、振った力がそのままシャトルに伝わります。スイングが速い人にとっては、狙った方向に打ち込みやすく、コントロールしやすくなります。一方で、スイングが速くない人が使うと、シャフトがしならずシャトルが飛ばない、と感じやすくなります。

シャフトの硬さは、スイングの速さだけでなく、打つタイミングにも関係します。柔らかいシャフトは、しなりが戻るまでのわずかな時間を使ってシャトルを飛ばすので、しなりに合わせて打つ感覚が必要になります。硬いシャフトは、振った瞬間にシャトルが飛んでいくので、タイミングのずれが少ない一方、自分の力で飛ばす必要があります。上達してスイングが速くなると、柔らかいシャフトでは物足りなく感じることもあり、そのときが硬めのシャフトを検討するタイミングです。

メーカーの表記の読み方。 シャフトの硬さの表記は、メーカーによって違います。ヨネックスの海外公式サイトでは、「Stiff(硬い)」「Medium」「Flexible(柔らかい)」「Hi-Flex」といった言葉で表記しているモデルがあります。たとえば、中級者向けのアストロクス70は、海外公式サイトで「Hi-Flex」と表記されています。ミズノは、シャフトのねじれに関する独自の指標として「トルクレベル」を表示しています。日本の公式オンラインショップでは硬さが明記されていないモデルもあるため、その場合は商品説明で「柔らかい」「しなり」といった言葉が使われているかを確認してください。

初めての人は柔らかめ〜普通が目安です。店で試せる場合は、ラケットを軽く振ってみて、シャフトがしなる感覚があるかを確かめてください。硬さの感じ方は人によって違うので、同じ価格帯のラケットを2〜3本持ち比べると、自分に合う硬さがわかりやすくなります。上級者向けのモデルは硬めのシャフトが多いので、「上級」と書かれたモデルは最初の1本としては避けたほうが無難です。

グリップの太さ(G表記)

グリップの太さは「G」という表記で表します。ヨネックスは、グリップサイズを「G7<G6<G5<G4」(左から細い順)と案内しています。つまり、数字が大きいほど細いグリップです。

ラケットの表記は、重さとグリップの太さを組み合わせて「4U5」「5U6」のように書かれることが多く、この場合は「4UでG5」「5UでG6」という意味です。

グリップの太さは、手の大きさに合わせて選びます。手が小さめの人はG5〜G6が握りやすいことが多いです。

自分に合う太さを確かめるには、ラケットを普段どおりに握ったとき、指先と手のひらの間にわずかにすき間ができるくらいが目安と言われます。指先が手のひらに強く食い込むなら細すぎ、指が届きにくいなら太すぎる可能性があります。細すぎるグリップは、ラケットを安定させようとして強く握りしめやすくなり、太すぎるグリップは握りにくく、手首を使いにくくなります。

グリップは、あとからグリップテープで太さを調整することもできます。太いグリップを細くするのは難しいので、迷ったときは細めを選んで、テープで少し太くするほうが調整しやすくなります。グリップテープは、巻く重ね幅によっても太さが変わります。太さの選び方や調整の方法は、グリップの太さの記事で詳しく説明しています。

推奨テンションとガット

ラケットには、それぞれメーカーが決めた「推奨張力(推奨テンション)」があります。ガットをどれくらいの強さで張ってよいかの範囲で、ラケット本体やメーカーの製品ページに書かれています。たとえばヨネックスのアークセイバー1は17〜22ポンド、ミズノのアクロスピード8は18〜25ポンドです。

ヨネックスは、推奨張力を超えて張るとラケットの破損の原因になると注意しています。ガットを張るときは、この範囲の中でテンションを決めてください。

また、ヨネックスの公式オンラインショップでは、ラケットごとに「推奨ストリング」も紹介されています。たとえばアークセイバー1では、強く打ち込む人向けにエクスボルト65、コントロールを重視する人向けに強チタンが挙げられています。ガット選びに迷ったときの参考になります。

初級者向けのラケットは推奨張力の範囲が低め、上級者向けは高めに設定されている傾向があります。ラケットを選ぶ段階では、「自分が張りたいテンションが、そのラケットの推奨範囲に入っているか」を確認しておくと安心です。

たとえば、学生時代に24ポンドで張っていた人が、推奨範囲が17〜22ポンドのラケットを選ぶと、以前と同じテンションでは張れません。反対に、始めたばかりの人は推奨範囲の下のほうで張ることが多いので、推奨範囲の下限が低めのラケットのほうが選択肢が広がります。テンションの決め方は、ガットのテンションの目安で詳しく説明しています。

予算の考え方

ラケットの値段は、数千円から4万円を超えるものまで幅があります。価格帯ごとの違いを大まかにまとめると、次のようになります。

  • 5,000円前後〜1万円未満:ガットが張ってある「張り上げ済み」のモデルが多い。まず続けられるか試したい人向け
  • 1万〜2万円前後:「フレームのみ」で販売され、ガットを選んで張るモデルが中心。サークルで長く使う最初の1本に向く
  • 2万円以上:中級者以上向けのモデルが中心。初心者は対象レベルを確認してから選ぶ

注意したいのは、フレームのみのラケットは、別にガット代と、店によっては張り代がかかる点です。たとえば、1万円台半ばのフレームのみのラケットに1,000円台のガットを張ると、合計は1万円台後半になります。張り代は店によって無料の場合と有料の場合があり、ミズノの公式オンラインショップのように、ラケット購入時の張り代を無料としているところもあります。予算は「ラケット+ガット+張り代」の合計で考えてください。

張り上げ済みとフレームのみのどちらがよいかは、続ける見込みで考えるのが1つの方法です。月に1〜2回、まずは試してみたいという段階なら、追加の費用がかからない張り上げ済みのモデルで十分です。週1回以上続けるつもりなら、フレームのみのモデルを選んで、自分でガットとテンションを決めるほうが、上達に合わせて調整しやすくなります。また、値段が高いほど初心者に打ちやすいわけではありません。価格帯ごとの違いや見落としがちな費用は、ラケットの値段の相場の記事で詳しく説明しています。

よくある失敗

ラケット選びでよくある失敗を、具体的に挙げます。

上級者モデルをいきなり買う。 店頭で目立つのは、トップ選手が使っている上級者向けのモデルです。上級者向けのモデルは、シャフトが硬めで、速く強いスイングで性能を発揮するように作られていることが多く、始めたばかりの人には扱いにくく感じられます。「いいラケットを使えば上手くなる」わけではありません。メーカーの製品ページに「初級」「中級」「上級」などの対象レベルが書かれている場合は、確認してから選んでください。

重さだけで選ぶ。 「軽いほうが振りやすい」と、重さだけで選んでしまうケースです。同じ4Uでも、ヘッドヘビーとヘッドライトでは振ったときの感覚がまったく違います。重さとバランスは、セットで確認してください。

軽すぎるラケットを選ぶ。 軽ければ軽いほどよい、というわけではありません。軽すぎるラケットは、シャトルに勢いをつけにくく、強いシャトルを受けたときにラケットが押されることがあります。まずは4U〜5Uの範囲から選ぶのが無難です。

ガット込みの価格か確認しない。 1万円台のラケットを買ったのに、ガットが張られておらず、ガット代と張り代で予算を超えてしまった、というケースです。購入前に「張り上げ済み」か「フレームのみ」かを確認してください。

見た目だけで選ぶ。 色やデザインが気に入って選ぶこと自体は悪くありません。ただ、同じシリーズの同じような見た目のラケットでも、モデルによって重さやバランス、対象レベルが大きく違います。気に入ったデザインのラケットがあったら、そのモデルの5つの項目を確認してから決めてください。

周りの人と同じラケットを選ぶ。 サークルの上手な人が使っているラケットを選ぶ人もいますが、その人に合うラケットが自分に合うとは限りません。振る力や、プレーのスタイルは人によって違います。

グリップの太さを確認しない。 ラケットの重さやバランスばかりに気を取られて、グリップの太さを確認しないまま買ってしまうケースです。細すぎるグリップを強く握りしめて打ち続けると、手首や前腕に力が入りっぱなしになります。購入前に、表記のG5・G6などを確認してください。

レベル別:次に読む記事

ここまでの判断基準をもとに、状況に合わせて次の記事を読んでみてください。どの記事も、この記事で説明した5つの項目をもとに、具体的に掘り下げています。

  • 初めての1本を選びたい人:この記事の冒頭で紹介した、初心者向けラケットの比較記事で、条件に合う6本を比べています
  • 部活を始める中学生の保護者:成長途中の中学生向けの選び方を、中学生のラケットの選び方でまとめています
  • 昔のラケットを使い続けるか迷っている人:買い替えの判断や修理については、ラケットの寿命と修理の記事で説明しています

まとめ

  • ラケットは、重さ・バランス・シャフトの硬さ・グリップの太さ・価格帯の5つで選ぶ
  • 初めての人の目安は、4U〜5U、イーブン〜ヘッドライト寄り、柔らかめ〜普通のシャフト、G5〜G6
  • 重さは「数字が大きいほど軽い」、グリップは「数字が大きいほど細い」
  • 推奨張力の範囲を超えてガットを張らない
  • 上級者モデルや、重さだけ・値段だけで選ぶのは失敗のもと
  • フレームのみのラケットは、ガット代と張り代も含めて予算を考える

5つの項目を順に確認すれば、自分に合うラケットの候補はかなり絞られます。あとは店で実際に持って、振りやすさを確かめてから決めてください。

最初の1本でぴったりのラケットに出会えなくても、打っているうちに「もう少し軽いほうがいい」「ヘッドが重いほうが打ちやすい」といった自分の好みが見えてきます。その好みが、2本目を選ぶときの一番の手がかりになります。

一緒に打つ相手を探すなら

ラケットが決まったら、実際に打ってみるのが一番です。初心者歓迎の練習会やオフ会で、いろいろな人と打ちながら、新しいラケットに慣れていってください。

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