「クリアが奥まで飛ばない」「相手のスマッシュコースに上がってしまう」——クリアはバドミントンの基本中の基本ショットですが、初心者がいちばん「飛ばない悩み」を抱えるショットでもあります。本記事ではクリアが飛ばない原因と改善のコツを、フォーム解説とともに紹介します。
クリアとは?役割と種類
クリアの役割
クリアは相手コートの奥(バックバウンダリーライン付近)まで打つ高い軌道のショット。相手を後ろに下げて自分の体勢を立て直したり、ラリーを組み立てたりする「守りと組み立ての中核」になります。
2種類のクリア
- ハイクリア(守りのクリア):高く山なりに打つ、時間を作る
- ドリブンクリア(攻めのクリア):低めの弾道で相手が反応しにくい
初心者はまずハイクリアを「奥まで飛ばす」ことを最優先で習得しましょう。ドリブンクリアはハイクリアが安定してから。
クリアが飛ばない4つの原因
1. 打点が頭の真上か後ろ
打点が体の真上または後ろになると、シャトルに体重が乗らず、腕力だけで打つことになり飛びません。理想は頭の前方斜め上。
2. 腕だけで振っている
初心者の最大の課題。クリアは足→腰→肩→腕→手首の運動連鎖で打ちます。腕力勝負ではコートの半分も飛びません。
3. ラケットを「振り切らない」
シャトルに当てに行くだけで止めてしまうと、ヘッドスピードが出ず飛距離も出ません。「打って終わり」ではなく「振り切って終わり」を意識。
4. グリップが固すぎる
常に強く握っていると手首のスナップが効かずヘッドが走りません。普段は緩く、インパクトの瞬間にぐっと握る「瞬間握り」が基本。
正しいクリアのフォーム5ステップ
STEP1:グリップ — イースタングリップ
包丁を握るような形のイースタングリップ。親指と人差し指でV字を作り、ラケットの面が地面に対して垂直に。
STEP2:構え — 半身で待つ
右利きなら左肩を相手側に向けた半身。両足は肩幅、重心は後ろ足に乗せ、シャトルを目で追える体勢を作る。
STEP3:テイクバック — 弓を引くように
左手をシャトル方向に伸ばし、右手のラケットを背中側に大きく回す。肘は肩より高く、ラケットヘッドは下を向く「ゼロポジション」を作る。
STEP4:振り出し — 体重移動と肩の回転
後ろ足から前足へ体重移動しながら、腰→肩→腕の順に回転。ラケットは「投げるように」前に振り出す。
STEP5:インパクト — 真上を打って奥へ
打点は頭の前方やや上、最高点。インパクトの瞬間に手首をスナップさせ、シャトルを上方向に押し出すイメージ。スマッシュとの違いは「下方向ではなく上方向」のスイング。
飛ばす感覚を身につける練習
1. タオルスイング(自宅)
タオルの端を結んでラケット代わりに振る。「シュッ」と空気を切る音が鳴れば運動連鎖が機能している証拠。音が鳴るまでフォームを見直す。
2. シャドウスイング
天井の特定の位置を打点に見立て、テイクバック→振り出し→フォロースルーをゆっくり。鏡の前で体の連動を確認。
3. 体育館でのノック練習
- 相手にコート前方に立ってもらい、シャトルを高く投げ上げてもらう
- 頭の前方の打点で、奥のラインを目掛けてクリア
- 飛距離が安定するまで100本
4. 高い目標物を狙う
体育館の天井の梁や照明など、「高い場所」を打ち抜く意識でスイング。これだけで打点と振り抜き角度が上向きになります。
女性・力に自信がない人向けのコツ
「飛ばす」より「タイミング」を意識
クリアの飛距離は筋力よりタイミング。シャトルが落ちてくる軌道を読み、最高打点で当てる方が筋力に頼るより遥かに飛びます。
軽めのラケット&低テンションを使う
重いラケット・高テンションは振り抜けず飛びません。軽量モデル+20〜22lbsのテンションから始めるとクリアが楽に飛ぶようになります。
クリアが上達したら次にやること
- 左右のコース打ち分け(ストレート・クロス)
- ドリブンクリア(低めの弾道)への発展
- クリア→スマッシュのコンビネーション
- バックハンドクリアの習得
まとめ
- クリアは運動連鎖で打つ。腕だけはNG
- 打点は頭の前方斜め上、最高点
- 振り切ること、当てに行かない
- 飛距離よりタイミングを意識
- 練習はタオルスイング→シャドウ→ノックの順で段階的に

