グリップ(ラケットの握り方)は、すべてのショットの土台です。握り方が合っていないと、クリアが飛ばない、バックハンドが安定しない、持ち替えが間に合わない、といった悩みがいつまでも続きます。
この記事では、最初に覚えるイースタングリップ、ウエスタンを使う場面、バックハンド用のサムアップ、握り替えのタイミング、そして握りとセットで覚えたい構え方までをまとめました。説明は右利きを前提にしています。

まず覚えるのはイースタン
イースタングリップは、ラケットの面を床に対して垂直に立て、握手をするように握る持ち方です。包丁を持つときの握りに近く、親指と人差し指の間にV字ができます。
- 使う場面:フォアハンドのほとんど(クリア・スマッシュ・ドライブ・ヘアピンなど)
- よいところ:面の向きを変えやすく、手首と前腕の回転を使って打ちやすい
握り方の手順
- ラケットの面を床に対して垂直に立てる
- 握手をするようにグリップを握る
- 親指と人差し指の間のV字が、グリップの角(側面の少し上)に来ているか確認する
- 指は少し広げて、グリップの下のほうを軽く握る
グリップエンドが手のひらから少し出るくらいの位置で持つと、振り抜きやすくなります。
握る位置を変えるとき
基本はグリップの下のほうを持ちます。ネット前の細かいショットや、速い球を受けるレシーブでは、少し短く持つと振りがコンパクトになり、面を合わせやすくなります。奥まで大きく飛ばしたいときは、長めに持ちます。
ウエスタンを使う場面
ウエスタングリップは、ラケットの面を床と平行にして、フライパンを上から握るように持つ握り方です。
- 使う場面:ネット前で、高い位置の球を上から押し込むとき(プッシュなど)
- 注意:クリアやスマッシュをこの握りで打つと、面が前を向きにくく、奥まで飛びません
初心者は、何も意識しないとこの握りになりがちです。クリアが飛ばない、スマッシュの角度が出ないと感じたら、まず握りがウエスタンになっていないかを確認しましょう。
サムアップ(バックハンド)
サムアップは、イースタンから親指をグリップの広い平らな面に立てる握り方で、バックハンドで使います。打つ瞬間に親指で押し出すことで、バックハンドでも力を伝えられます。
- 使う場面:バックハンドのほとんど(ドライブ・クリア・プッシュ・ハイバックなど)
- ポイント:親指はシャフトの方向に沿わせ、人差し指は軽く曲げる
バックハンドの打ち方はバックハンドの打ち方で詳しく解説しています。
| 握り方 | 面の向き | 主な用途 |
|---|---|---|
| イースタン | 床に対して垂直 | フォアハンドのほとんど |
| ウエスタン | 床と平行 | ネット前のプッシュなど、上から押し込む球 |
| サムアップ | 親指を平らな面に立てる | バックハンドのほとんど |
握り替えのタイミング
ラリー中は、フォアとバックを何度も切り替えます。
- シャトルがフォア側に来ると分かったら → イースタン
- バック側に来ると分かったら → サムアップ
- 判断は、シャトルを見てからではなく、相手が打つ動きを見て早めに
ショット別の握りの目安
| ショット | フォア側 | バック側 |
|---|---|---|
| クリア・スマッシュ | イースタン | サムアップ(ハイバック) |
| ドライブ | イースタン(やや短く) | サムアップ(やや短く) |
| ヘアピン・ロブ | イースタン | サムアップ |
| 高い球のプッシュ | イースタン、またはウエスタン寄り | サムアップ |
握り替えを速くするコツ
- ふだんはフォアとバックの中間くらいの握りで、軽く持って構える
- 指先でグリップを回すようにして切り替える
- 強く握りすぎない(握りしめていると、切り替えが遅れます)
- 素振りのときに、フォア→バック→フォアと交互に切り替える練習を入れる
打つ瞬間だけ握りを締め、打ったらすぐ力を抜くのが基本です。
構え方
握りと同じくらい大事なのが、次の球を待つときの構えです。構えが悪いと、握り替えも一歩目も遅れます。
基本の姿勢
- 足:肩幅より少し広く開き、ひざを軽く曲げて重心を低くする
- 重心:かかとを少し浮かせ、つま先寄りに乗せる
- ラケット:胸の前から顔の前に構える。下げて構えると、速い球に間に合いません
- 目線:シャトルだけでなく、相手のラケットの動きを見る。相手の振り方から、次の球を早く予測できます
守りの構え
- ラケットを胸の前に構え、重心を低くして、左右どちらにも動ける姿勢をとる
- 相手のスマッシュを受けるときに使う
攻めの構え
- ラケットを顔の前から上に構え、体重をやや前にかける
- ダブルスで前衛にいるとき、ネット前に来た球をすぐプッシュやヘアピンで処理するための構え
サーブレシーブの構え
- ダブルスでは、左足を前にした半身の姿勢で、ラケットを顔の高さに構える
- 体重を前足に多めに乗せ、ショートサーブにすぐ飛びつけるようにする
シングルスとダブルスの違い
- シングルス:コートの中央付近で、前後左右どこにでも動ける構え
- ダブルス:自分が受け持つ範囲に合わせた構え(前衛か後衛かで変わる)
打ったら必ず構えに戻ることを習慣にしましょう。一歩目の出し方はフットワークの基本、スマッシュを受けるときの構えはスマッシュレシーブのコツで詳しく説明しています。
よくある失敗
| 失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| いつもウエスタンで握る | クリアやスマッシュが飛ばない | 面を垂直に立ててから握り直す |
| バックでもイースタンのまま | バックハンドが安定しない | バック側と判断したら親指を立てる |
| 強く握りすぎる | 手首が固まり、握り替えも遅れる | ふだんは軽く、打つ瞬間だけ締める |
| 立ったまま構える | 一歩目が遅れる | ひざを曲げ、かかとを少し浮かせる |
| ラケットを下げて構える | 速い球に間に合わない | ラケットを胸から顔の前に上げておく |
| シャトルだけを見る | 予測が遅れる | 相手のラケットの動きも見る |
練習のしかた
- イースタン⇄サムアップの握り替えを、指だけで素早く繰り返す
- フォアとバックの素振りを交互に行い、そのたびに握りを切り替える
- 構え→相手が打つ直前に小さく跳ねる(スプリットステップ)→構え、を繰り返す
- 鏡の前で、構えの姿勢(ひざ・重心・ラケットの高さ)を確認する
- ノックで、フォアとバックにランダムに出してもらう
グリップテープと太さ
握りやすさは、グリップテープの巻き方や太さでも変わります。細すぎると握りしめやすく、太すぎると握り替えがしにくくなります。汗で滑るときは、テープの種類を変えるのも方法の1つです。
- 巻き方はグリップテープの巻き方
- 太さの選び方はグリップの太さの選び方
よくある質問
初心者はどの握り方から覚えればいいですか?
イースタングリップです。フォアハンドのほとんどのショットをこの握りで打ちます。バックハンド用のサムアップは、イースタンに慣れてから覚えれば十分です。
ウエスタングリップは使ってはいけませんか?
使ってはいけないわけではありません。ネット前で高い球を上から押し込むときには便利です。ただ、クリアやスマッシュをウエスタンで打つと飛びにくいので、使う場面を限定しましょう。
グリップはどれくらいの強さで握ればいいですか?
ふだんは軽く持ち、打つ瞬間だけ握りを締めます。ずっと強く握っていると、手首が固まり、握り替えも遅れます。
ラケットは長めに持つのと短めに持つの、どちらがいいですか?
基本はグリップの下のほうを持ちます。ネット前やレシーブのように素早く面を合わせたい場面では、少し短く持つと扱いやすくなります。
まとめ
- 最初に覚えるのはイースタン。面を垂直に立て、握手をするように握る
- ウエスタンはネット前で上から押し込むときだけ
- バックハンドはサムアップ。親指で押し出す
- 握り替えは相手の打つ動きを見て早めに。ふだんは軽く握る
- 構えは低い重心・つま先寄り・ラケットは胸から顔の前。打ったら必ず構えに戻る

