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バドミントンで肘が痛むとき、サポーターを買う前に確認したいことが1つあります。肘の痛みには、ラケットやガットといった道具が関係していることがあるという点です。サポーターは負担が集中している部分を支える道具で、その原因を変えるものではありません。
この記事は、その前提を押さえたうえで、肘サポーターを4製品、6つの軸で比べます。サイズの測り方や洗濯といったサポーター共通の話はサポーター全部位のガイドにまとめてあるので、ここでは肘に固有の話と、製品の選定だけを扱います。
こういうときに肘サポーターを検討する
次のような状態なら、サポーターを検討する余地があります。いずれも可能性の話で、診断ではありません。
肘の外側が痛む。 いわゆる「テニス肘」と呼ばれる領域です。バックハンドで打った後や、ラケットを強く握ったときに痛むことがあります。前腕の外側にある、手首を反らす筋肉の付け根に負担がかかっている可能性があります。
肘の内側が痛む。 オーバーヘッドで腕を振り切った後や、手首を強く返したときに痛むタイプです。前腕の内側にある、手首を曲げる筋肉の付け根に負担がかかっている可能性があります。
スマッシュやクリアーの後に痛む。 打った直後よりも、少し時間がたってから痛みが出ることがあります。
日常で物を持ち上げるときに痛む。 ペットボトルのふたを開ける、買い物袋を持つ、といった動作で痛む場合、プレー中だけの問題ではなくなっています。この場合は、サポーターより先に受診を考える段階です。
痛む場所によって、見る方向が変わります。 外側か内側か、どの動作で痛むかを整理しておくと、サポーターの装着位置を決めるときにも、受診したときに症状を伝えるときにも役に立ちます。
痛みの原因そのものや、整形外科に行くべきかの判断については、バドミントンで起きやすいケガをまとめた記事を参照してください。
サポーターの前に見直したい道具
肘の痛みは、フォームと道具の影響を受けやすい部位です。サポーターは対症的な手段で、痛みの出どころを変えるものではありません。次の3点に心当たりがあるなら、先にそちらを見直す価値があります。
ガットのテンションが高い。 テンションを高く張るほど、打球時の衝撃が腕に伝わりやすいと一般に言われています。学生時代の感覚のまま高めに張っている人や、上級者向けの設定をそのまま真似ている人は、いったん下げてみる余地があります。テンションの考え方はガットのテンションの目安に、打球感の柔らかいガットの選び方は肘の負担が気になる人向けのガット選びにまとめています。
ラケットが重い、または合っていない。 重いラケットやヘッドの重いバランスのラケットは、振るたびに前腕への負担が増えます。昔のラケットをそのまま使っている場合はとくに、今の体に合っているかを確かめてください。
グリップが細すぎる。 グリップが細いと、ラケットを支えるために無意識に強く握り込むことになります。握り込む力が強いほど、前腕の筋肉は緊張し続けます。グリップテープを1枚重ねるだけでも太さは変わります。
手首だけで打とうとしている。 体の回転を使わずに腕と手首の力だけで飛ばそうとすると、肘への負担が大きくなります。ここは道具ではなくフォームの話ですが、痛みが続くなら、上手な人に一度見てもらう価値があります。
結論:優先するものが違えば選ぶものも変わる
| 製品(メーカー) | 固定の効き方 | 着圧 | 着脱のしやすさ | 夏場の蒸れにくさ | 洗濯 | 価格帯の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| エルボーバンド(ザムスト) | 点(前腕をパッドで押さえる) | 部分的 | とても容易(巻くだけ) | 面積が小さく有利 | 説明書で確認 | 2,000円台後半〜 |
| エルボースリーブ(ザムスト) | 面(肘全体を包む) | 軽い圧迫 | 容易(腕を通す) | 被覆面積なり | 説明書で確認 | 3,000円前後 |
| M489 エルボーバンド DP(マクダビッド) | 点(2つのパッドで押さえる) | 部分的・ストラップで調整 | 容易(巻くだけ) | 1.5mmの薄手・通気孔あり | 手洗い(洗濯機・乾燥機は不可) | 2,000円台半ば |
| MPサポーター 肘用 MPS-70EL(ヨネックス) | 面(肘の内側と外側を圧迫) | 肘まわり | 公式に記載なし | クロロプレン使用で不利 | 公式に記載なし | 3,000円台半ば |
価格は2026年9月時点で各メーカーの公式サイトに掲載されていた金額をもとにした目安で、ECサイトの販売価格ではありません。評価はメーカーが公表している構造から整理したもので、当サイトによる実測や着用比較ではありません。「説明書で確認」は、公式の製品ページに洗濯方法の記載がなく、取扱説明書を参照する形になっているという意味です。
こういう人にはこれ
- 肘の外側が痛む、ピンポイントで押さえたい → ザムスト エルボーバンドか、マクダビッド M489
- 痛む場所がはっきりしない、肘全体が不安 → ザムスト エルボースリーブ
- 肘の内側と外側の両方が気になる → ヨネックス MPサポーター 肘用。肘の内外を圧迫する構造です
ベルト型とスリーブ型は、狙いが違う
肘サポーターは大きく2つに分かれます。どちらが向くかは、痛む場所で変わります。
ベルト(バンド)型は、肘そのものではなく、肘から少し手首側の前腕に巻いて、パッドで一点を押さえるタイプです。前腕の筋肉が肘の付け根を引っ張る力を、手前で受け止めることを狙った構造です。外側の痛みに使われることが多い形です。
スリーブ型は、肘全体に腕を通して、生地の圧迫で包むタイプです。痛む場所が一点に絞れない人や、肘全体を軽く支えたい人に向きます。
ベルト型で大事なのは、締める位置です。 位置がずれると、パッドが狙った場所を押さえられず、意味が薄くなります。どこに巻くかは製品ごとに説明が違うので、メーカーの装着説明を見ながら着ける前提で考えてください。締めすぎにも注意が必要で、手先がしびれる、指の色が変わるといった状態は締めすぎのサインです。
サイズは「どこを測るか」がメーカーで違う
肘サポーターのサイズで注意したいのは、測る場所がメーカーや製品によって違うことです。今回の4製品だけでも、次のように分かれます。
- ザムスト エルボーバンド ── 前腕の太さ(M 20〜26cm/L 26〜31cm)
- ザムスト エルボースリーブ ── 肘上12cmの太さ(M 22〜25cm〜3L 31〜34cm)
- マクダビッド M489 ── 前腕周囲(S 21〜24cm/M 24〜27cm/L 27〜31cm)
- ヨネックス MPS-70EL ── 上腕のいちばん太いところ(S 20〜23cm/M 24〜27cm/L 28〜30cm)
同じ「肘用」でも、ベルト型は前腕、スリーブ型は二の腕側で測るものがあります。買う前に、その製品のサイズ表で測る位置を確認してください。 左右で太さが違う人も多いので、使う側の腕で測るのが基本です。
ブランドごとの品揃えの特徴
この記事ではザムスト(ZAMST)を最初に挙げています。理由は、部位別のラインナップが最も広いスポーツサポーターの専業ブランドで、メーカー自身がバドミントン向けのケアアイテム一覧を公開している数少ないブランドだからです。 肘用ではベルト型とスリーブ型の両方を出しており、どちらかを選ぶ段階から同じブランド内で比較できます。これは紹介の順番であって、製品の優劣ではありません。
次に、スポーツ用品メーカー。バドミントン用品メーカーのヨネックスは「MPサポーター(マッスルパワーサポーター)」として肘用を出しており、バドミントン専門店の店頭で見つけやすいのが利点です。ミズノも「バイオギア」の枠でひじ用のサポーターを出していますが、今回は4製品に絞るにあたって見送りました。
最後に、総合サポーターブランド。マクダビッドは肘用だけで複数のタイプを出しており、公式ストアでレビューが公開されています。バンテリンコーワもドラッグストアで買えるひじ用を出しています。このほかミューラーにもテニスエルボー向けのストラップがありますが、今回は4製品に絞るにあたって見送りました。
製品別の比較
ザムスト エルボーバンド(2,000円台後半〜)
ザムストが「ゴルフやテニスなどの肘のトラブルに」と案内しているベルト型で、ストラップとエルボーパッドで前腕を圧迫する構造です。サイズはMとLの2展開で、前腕の太さで選びます。巻くだけなので着脱が手早く、面積が小さいため夏場の体育館でも負担が小さいのが実用面の利点です。痛む場所が肘の外側にはっきりしている人向けで、ザムストがバドミントン向けのケアアイテムとして挙げている製品の1つでもあります。
ザムスト エルボースリーブ(3,000円前後)
ザムストが「肘全体の軽い圧迫・保護に」と案内しているスリーブ型です。左右兼用で、サイズはMから3Lまでの4展開と幅があり、肘上12cmの太さで選びます。ピンポイントで押さえるベルト型と違い、肘全体を包むので、痛む場所が一点に絞れない場合や、肘全体をなんとなく支えたい場合に向きます。
マクダビッド M489 エルボーバンド DP(2,000円台半ば)
2つのパッド(デュアルパッド)で前腕を押さえるベルト型です。本体は厚さ1.5mmのクロロプレンラバーで、細かな通気孔が開いています。伸縮するストラップで締め具合を調整でき、左右兼用。サイズはS・M・Lの3展開で、前腕周囲で選びます。洗濯は中性洗剤かぬるま湯での手洗いで、洗濯機と乾燥機は使えません。ザムストのエルボーバンドと同じベルト型ですが、パッドの数と素材が違うので、両方を見比べて選ぶ形になります。
ヨネックス MPサポーター 肘用 MPS-70EL(3,000円台半ば)
バドミントン用品メーカーのヨネックスが「マッスルパワーサポーター」の名前で出している肘用です。ヨネックスは、肘の内側と外側の骨の出っ張り(上腕骨の内側上顆・外側上顆)を適度に圧迫し、肘に伝わる衝撃をやわらげることを目的とした製品だと説明しています。素材はナイロンニット、シリコン、クロロプレン。左右兼用で、サイズはS・M・Lの3展開、上腕のいちばん太いところで測ります。ヨネックスはプレー中に使うことを想定した製品で、日常生活での効果は期待できないとしています。外側だけでなく内側も気になる人、痛む場所を一点に絞れない人に向きます。
サポーターで解決しないこと
サポーターは、肘にかかる負担の一部を受け持つ道具です。負担そのものを減らす道具ではありません。肘の痛みは、使い続けると長引きやすい部位でもあります。
次のいずれかに当てはまるなら、道具より先に整形外科です。
- 日常生活の動作(物を持つ、ふたを開ける、ドアノブを回す)で痛む
- 安静にしていても痛む、夜間に痛んで目が覚める
- 腫れている、熱を持っている
- 肘が伸びきらない、曲がりきらない
- 指先にしびれがある
- 2週間以上、痛みが変わらないか悪化している
もう一点。サポーターを着けたことで痛みが和らいだように感じても、原因が道具やフォームにある場合、そのまま続ければ同じことが起きます。サポーターを使いながら、ガットのテンションやグリップの太さを見直す、というのが現実的な順番です。
まとめ
- 肘の痛みは道具とフォームの影響を受けやすい。サポーターの前に、テンション・ラケットの重さ・グリップの太さを見直す
- 外側がピンポイントで痛むならベルト型、肘全体の不安ならスリーブ型
- ベルト型は締める位置で効き方が変わる。メーカーの装着説明を見ながら着ける
- サイズを測る位置はメーカーで違う。前腕か、肘上か、買う前に確認する
- 日常生活で痛む、しびれがある——これらは道具より先に整形外科へ
一緒に打つ相手を探すなら
肘の負担は、ガットやグリップの調整に加えて、1回あたりの打つ量を分けることでも変わります。近所で参加できる場所をいくつか押さえておくと、その調整ができるようになります。

