バドミントンのサーブには、ラリー中の打ち方にはない細かいルールがあります。高さ、立つ位置、足の動き、打つタイミングなど、知らずに反則をとられてしまうことも少なくありません。
この記事では、サーブに関するルールだけを、世界バドミントン連盟(BWF)の競技規則に沿って整理します。サーブの打ち方は扱わず、「何をすると反則になるか」に絞って説明します。ルール全体の流れは、バドミントンの基本ルールで説明しています。
なお、バドミントンの点数の方式は、21点制から「3ゲーム×15点制」への移行期にあります。サーブの打ち方に関するルール(高さ・立ち位置・反則)は、21点制と15点制で変わりません。点数の方式については、参加する大会の要項を確認してください。
結論:サーブで反則にならない5つのポイント
サーブで反則をとられないために、まず次の5つを押さえておきましょう。
- シャトル全体がコートの面から1.15mより下にある状態で打つ。 打つ瞬間に、シャトルのどこも1.15mを超えていないことが条件です
- サーブをする人も受ける人も、対角のサービスコートの中に、ラインを踏まずに立つ。 ラインに触れるのも反則です
- 打ち終わるまで、両足の一部をコートにつけたまま動かさない。 片足を浮かせたり、足を踏み出したりしてはいけません
- 最初にシャトルのコルク(土台)を打ち、ラケットは前へ一方向に振る。 途中で止めたり戻したりしてはいけません
- シャトルを空振りしない。受ける人が構える前に打たない。 空振りは反則、構える前に打った場合はやり直しになります
これらを守っていれば、サーブで反則をとられることはまずありません。以下で、1つずつ詳しく説明します。
サーブの高さのルール
BWFの競技規則では、サーブの高さについて次のように決められています。
- サーブを打つ瞬間に、シャトル全体が、コートの面から1.15mより下になければならない
ここで大切なのは、「シャトル全体」という点です。コルクの部分だけでなく、羽根の先まで含めて、1.15mより下にある必要があります。また、測るのは「打つ瞬間」の高さです。
以前のルールとの違い。 以前の規則では、サーブを打つ人の腰(ろっ骨のいちばん下)より下で打つ、という基準で判断されていました。この基準は、背の高い人と低い人とで打てる高さが変わるうえ、審判によって判断が分かれることもありました。現在の規則では、身長に関係なく、コートの面からの高さ(1.15m)という数値で決められています。
高さの確かめ方。 大会では、サービスジャッジ(サーブの反則を判断する審判)が、1.15mの高さの目安になる器具を使って判断することがあります。サークルの練習や、審判のいない試合では、厳密に測ることは難しいので、「胸の高さより低いところで打つ」「シャトルを腰より下で持つ」といった目安を決めておくと、もめごとを減らせます。
背の高い人は注意。 1.15mという高さは、身長に関係なく同じです。背の高い人は、以前の「腰より下」の感覚で打つと、1.15mを超えてしまうことがあります。とくにショートサーブで高い位置から打つくせがある人は、打点を少し下げる意識を持つと安心です。
立ち位置とサービスコート
サーブをする人と受ける人は、それぞれ対角線上のサービスコートの中に立ちます。競技規則では、次のように決められています。
- サーブをする人と受ける人は、対角のサービスコートの中に、ラインに触れずに立つ
- サーブが打たれるまで、両方の足の一部をコートにつけたまま、動かさずにいる
ラインに触れるのも反則。 ラインはコートの一部ですが、サーブのときは、サービスコートを区切るラインを踏んだり、ラインに触れたりすると反則になります。つま先がラインにかかっていないか、構えるときに確認しましょう。
どちらのサービスコートから打つか。 サーブをする側の点数が0か偶数のときは右のサービスコート、奇数のときは左のサービスコートから打ちます。これはシングルスでもダブルスでも同じ考え方です。
シングルスとダブルスで範囲が違う。 サーブのときに入れるべき範囲(サービスコート)は、シングルスとダブルスで違います。シングルスは縦に細長く奥まで、ダブルスは横に広く奥行きが短い範囲です。
ダブルスのパートナーの位置。 ダブルスでは、サーブをする人と受ける人のパートナーは、自分たちのコートの中なら、どこに立ってもかまいません。ただし、相手のサーブをする人や受ける人の視界をさえぎる位置に立ってはいけません。
サーブのフォルト(反則)一覧
サーブのときの主な反則を、競技規則をもとにまとめると次のとおりです。
| 反則 | 内容 | 起きやすい場面 |
|---|---|---|
| 高さの反則 | 打つ瞬間に、シャトル全体が1.15mより下にない | 背の高い人のショートサーブ、ロングサーブで打点が高くなったとき |
| ラインを踏む | サーブをする人・受ける人が、サービスコートのラインに触れている | 構えるときにつま先がラインにかかる |
| 足が動く | 打ち終わるまでに、両足の一部がコートから離れる・動く | 打つ勢いで前足を踏み出す、受ける人が早く動き出す |
| 打ち方の反則 | 最初にコルク以外(羽根)を打つ、シャトルに回転をかけて放す | 羽根をこするように打つ |
| ラケットの振りの反則 | ラケットを前に振り始めたあと、止めたり戻したりする | 相手のタイミングを外そうとして、振りを止める |
| 空振り | サーブをしようとして、シャトルに当たらない | 緊張しているとき、ショートサーブの細かい動き |
| 遅延 | サーブをする人と受ける人の準備ができたあと、不当にサーブを遅らせる | 構えたまま長く間をとる |
| サーブの失敗 | シャトルが上向きに飛ばない、ネットを越えない、サービスコートの外に落ちる | 力みすぎたロングサーブ、弱すぎるショートサーブ |
| ネットにかかる | サーブがネットの上に引っかかって止まる、ネットを越えたあとネットに引っかかる | ネットすれすれのショートサーブ |
| パートナーに当たる | サーブが、受ける人のパートナーに当たる(ダブルス) | パートナーがサービスコートの近くに立っている |
受ける人も、サーブの反則をとられることがあります。たとえば、ラインを踏んでいる、サーブが打たれる前に足を動かす、といった場合です。サーブを待つときは、足をしっかり止めておきましょう。
「上向きに飛ぶ」とは。 競技規則では、サーブのシャトルは、ラケットから上向きに飛んで、ネットを越えなければならないとされています。打った直後に下向きに飛ぶようなサーブは反則です。
よくある疑問
ネットに当たって入ったら(ネットイン)
サーブがネットに当たっても、そのままネットを越えて、正しいサービスコートに入れば、ラリーはそのまま続きます。競技規則の反則の一覧に、「サーブがネットに触れること」は含まれていません。
ただし、次の場合は反則になります。
- シャトルがネットの上に引っかかって止まった
- ネットを越えたあと、ネットに引っかかった
また、ネットに当たって正しいサービスコートの外に落ちた場合は、ふつうのサーブの失敗と同じく、相手の得点になります。
空振りしたら
サーブを打とうとして空振りした場合は、反則です。競技規則では、サーブをする人はシャトルを空振りしてはならない、とされています。
注意したいのは、「サーブの動作を始めたかどうか」です。競技規則では、準備ができたあと、ラケットのヘッドを前に動かし始めた時点でサーブが始まったとみなされます。一度前に振り始めたら、シャトルに当たるか、空振りするまでがサーブです。構えを直すだけで、まだ前に振り始めていなければ、空振りにはなりません。
相手が構える前に打ったら
受ける人の準備ができる前にサーブを打った場合は、レット(やり直し)になります。反則ではないので、どちらの得点にもならず、同じ人がもう一度サーブをします。
ただし、受ける人がそのサーブを返そうとした場合は、準備ができていたものとみなされます。つまり、「まだ構えていなかった」と言えるのは、返そうとしなかった場合だけです。構えていないときは、ラケットを振らずに、はっきり待っていることを示すのがマナーです。
誰がサーブするか・順番
サーブをする人は、ラリーの結果で決まります。
- サーブをする側がラリーに勝った場合:同じ人が、もう一方のサービスコートに移って続けてサーブします
- 受ける側がラリーに勝った場合:受けていた側に得点が入り、サーブ権が移ります
シングルスでは、自分の点数が偶数なら右、奇数なら左から打つ、という決まりだけで迷うことはあまりありません。ダブルスでは、4人のうち誰がどこからサーブするかがわかりにくくなります。ダブルスのサーブの順番は、得点の例を追いながらダブルスのルールの記事で説明しています。
順番や位置を間違えたら。 競技規則では、サーブやレシーブの順番、立つサービスコートを間違えたことに気づいた場合は、ラリーが終わったところで正しい位置に直し、それまでの点数はそのまま生かすことになっています。
ルールを覚えたら
サーブのルールを覚えたら、次はサーブの打ち方を練習してみましょう。ショートサーブとロングサーブの打ち方は、サーブの打ち方の記事で説明しています。練習で使うシャトルの選び方は、シャトルの選び方とおすすめで紹介しています。
まとめ
- サーブは、シャトル全体がコートの面から1.15mより下の状態で打つ
- サーブをする人も受ける人も、対角のサービスコートの中に、ラインに触れずに立つ
- 打ち終わるまで、両足の一部をコートにつけたまま動かさない
- 空振りは反則。相手が構える前に打つとレット(やり直し)
- サーブがネットに当たっても、正しいサービスコートに入ればラリーは続く
サーブのルールは、21点制でも15点制でも同じです。点数の方式は大会によって違うので、参加する大会の要項を確認してください。
一緒に打つ相手を探すなら
ルールを覚えたら、実際にゲームをしてみるのがいちばんの練習です。初心者歓迎の練習会やオフ会で、サーブのルールを意識しながら打ってみてください。

