肘に優しいガットの選び方|バドミントンで肘が気になる人が見直す3つの道具

肘に優しいガットの選び方 ガット・ストリング

※この記事にはアフィリエイト広告を含みます。

スマッシュやクリアのあとに、肘の外側や内側に違和感が残る。サークルに通って数年たつと、こうした悩みを持つ人は少なくありません。フォームや練習量の影響もありますが、ラケットやガットといった道具の側で見直せることもあります。

この記事では、肘の負担が気になる人が道具で見直せることを、優先する順番に沿って説明します。そのうえで、メーカーが打球感の柔らかさを説明しているガットを比べます。ガット全般の比較はガットの種類とおすすめの記事にまとめています。

なお、この記事は道具の選び方の話で、肘の痛みを治すための情報ではありません。痛みが続く場合は、整形外科などの医療機関に相談してください。

結論:肘が気になるなら、見直す順番はこの3つ

肘の負担が気になるときに、道具の側で見直せることは次の3つです。お金のかからない順、手軽な順に並べています。

  1. テンションを下げる。 次の張り替えのときに、今より1〜2ポンド下げるだけで試せます
  2. ガットを打球感の柔らかいタイプにする。 メーカーが「柔らかな球持ち」などと説明しているガットを選びます
  3. グリップの太さとラケットの重さを見直す。 細すぎるグリップや、重すぎるラケットを使っていないか確認します

この記事で比べるのは、2つ目のガットです。メーカーが打球感や衝撃について説明している製品だけを選びました。メーカーが打球感の柔らかさや衝撃についてはっきり説明しているガットは多くないため、公式の説明で確認できた3製品に絞っています。価格は、メーカー公式の2026年9月時点の価格をもとにした1張り分(10m)の価格帯で、張り替えの工賃は含みません。

製品名メーカー太さメーカーの説明(打球感・衝撃)向いている人価格帯(1張り分)
ライゾニック フィール70(BSRF70)ゴーセン0.70mm特殊コーティングで柔らかな球持ちと繊細なタッチ柔らかい打球感と切れにくさを両立したい人1,000円台半ば
ライゾニック フィール66(BSRF66)ゴーセン0.66mm特殊コーティングで柔らかな球持ちと繊細なタッチ柔らかい打球感と反発を両立したい人1,000円台半ば
強チタン(BG65TI)ヨネックス0.70mmシャープだが心地よい打球感(海外公式サイトの説明)ヨネックスで太めのガットを選びたい人1,000円台半ば
  • 柔らかい打球感と切れにくさを優先するなら、ライゾニック フィール70。メーカーが柔らかな球持ちを説明しているガットの中で、太めの0.70mmです
  • 柔らかい打球感と反発のバランスを優先するなら、ライゾニック フィール66。同じシリーズの0.66mmです
  • ヨネックスのガットで選びたいなら、強チタン。ヨネックスの海外公式サイトで「シャープだが心地よい打球感」と説明されています

迷ったら、この1本から試すのが無難です。メーカーが柔らかな球持ちをはっきり説明していて、太めで切れにくいガットです。

道具が肘の負担に関係すると言われる理由

ラケットでシャトルを打つと、その瞬間の衝撃や振動が、ガットからフレーム、シャフト、グリップを通って手に伝わります。手に伝わった衝撃は、手首や前腕、肘へと伝わっていきます。道具が肘の負担に関係すると言われるのは、この「打った瞬間に手に伝わるもの」を道具で変えられるからです。

たとえば、ガットを硬く張ると、打った瞬間にガットがたわむ量が小さくなります。シャトルがすぐに離れる感覚になる一方で、衝撃がやわらぎにくい、と一般に言われます。反対に、ガットを柔らかく張ると、ガットが大きくたわんで打った瞬間の衝撃を受け止める時間が長くなる、と説明されることがあります。

ラケットのメーカーも、この点を意識した技術を公開しています。ヨネックスは、ラケットに使う素材として「バイブレーションダンプニングメッシュ」を紹介し、「腕や肘への打球時の衝撃を緩和する」と説明しています。また、「フレックスフューズ」という素材について、樹脂に衝撃吸収材を加えて「マイルドな打球感を実現」したと説明しています。メーカー自身が、打球時の衝撃を腕や肘に伝わりにくくすることを設計の目標の1つにしている、ということです。

もう1つ、道具の影響は「握り方」にも出ます。グリップが細すぎると、ラケットを安定させようとして強く握りしめやすくなります。ラケットが重すぎると、振るたびに腕に力が入ります。こうした力みが続くと、前腕から肘にかけての負担になると言われています。

道具だけで肘の負担がなくなるわけではありませんが、道具を見直すことで、打つたびに腕にかかるものを少しでも減らせる可能性があります。

見直し①:テンションを下げる

最初に試したいのは、テンションを下げることです。ガットを買い替えなくても、次の張り替えのときに数字を変えるだけで試せます。

テンションを下げると、ガットの面が柔らかくなり、打った瞬間にガットが大きくたわむようになります。その結果、打球感が柔らかくなり、シャトルも飛びやすくなります。硬く張った状態よりも、衝撃がやわらぎやすいと言われています。

下げ方の目安は、1回の張り替えで1〜2ポンドです。たとえば、今24ポンドで張っているなら、次は22〜23ポンドにしてみます。いきなり3〜4ポンド下げると、シャトルが飛びすぎてコントロールしにくくなり、かえって力んでしまうことがあります。

テンションを下げたあとは、次の点を意識して何回か練習してください。

  • シャトルが飛びすぎてアウトが増えていないか
  • 打ったあとの肘の違和感が、前と比べてどうか
  • 飛びすぎを抑えようとして、腕に余計な力が入っていないか

飛びすぎると感じたら、無理に下げたままにせず、1ポンド戻して様子を見ます。「肘の違和感」と「飛びすぎ」のちょうどよい点を探す、という考え方です。

どの数字まで下げてよいかは、ラケットの推奨張力の範囲が目安になります。推奨範囲の下限より下げることは避けてください。たとえば、ヨネックスのアストロクス33の推奨張力は18〜23ポンドなので、下げるとしても18ポンドまでが目安になります。自分のラケットの推奨範囲は、ラケット本体の表記かメーカーの製品ページで確認できます。テンションの決め方の全体は、ガットのテンションの目安で詳しく説明しています。

見直し②:打球感の柔らかいガットを選ぶ

テンションを下げても気になる場合は、ガットそのものを見直します。ここでは、打球感の柔らかさという観点でガットを見るときのポイントを説明します。

太さと打球感の関係

ガットの太さと打球感の関係は、一概には言えません。一般に、細いガットは反発が強く打球音が高くなりやすいと言われ、太いガットは切れにくくなると言われます。打球感の柔らかさは、太さだけでなく、素材や表面のコーティングによって大きく変わります。

実際に、ゴーセンのライゾニック フィールシリーズは、0.66mmと0.70mmの2種類の太さで、どちらも特殊コーティングで柔らかな球持ちを狙ったガットとして説明されています。太さだけで打球感を判断せず、メーカーが打球感についてどう説明しているかを確認するのが確実です。

ただし、肘の負担が気になる人には、太めのガットにも利点があります。太いガットは切れにくいので、張りたての状態から大きく変わりにくく、張り替えの回数も抑えやすくなります。テンションを下げて張ると、ガットによっては切れやすく感じることもあるため、切れにくさとのバランスを取りやすい太めのガットは選択肢になります。

迷ったときは、まず0.70mm前後で、メーカーが柔らかさを説明しているガットから試すのが無難です。そこで「もう少し飛びがほしい」と感じたら、同じシリーズの細いものに替えて比べる、という順番にすると、違いがわかりやすくなります。

メーカーの説明の読み方

ガットの製品ページには、打球感を表すさまざまな言葉が使われています。よく見かける言葉の意味を整理しておきます。

  • ソフト・柔らかな球持ち:シャトルがガットに当たってから離れるまでの感覚が柔らかい、という説明です。肘が気になる人が注目したい言葉です
  • ホールド感・球持ち:シャトルがガットに乗っている時間が長く感じられる、という意味で使われます。「柔らかな球持ち」のように、柔らかさとあわせて説明されることが多い言葉です
  • 食いつき:打った瞬間にガットがシャトルをとらえる感覚を表す言葉です。コントロールの説明で使われることが多く、柔らかさとは別の意味で使われる場合もあります
  • シャープ・弾き・硬質:シャトルがすぐに離れる、キレのある打球感を表す言葉です。柔らかさとは反対の方向の説明です

注意したいのは、同じ言葉でもメーカーによって意味の幅が違う点です。また、メーカーの性能表は、そのメーカーの製品どうしを比べたものです。ゴーセンは、製品の性能の比較は「各シリーズ内での比較」だと注記しています。メーカーをまたいで比べるときは、言葉の強さだけで判断しないようにしてください。

硬い打球感のガットを使っている人が気をつけること

今使っているガットが、メーカーから「しっかりした打球感」「シャープ」「硬質なインパクト」などと説明されているものなら、肘が気になる人は見直しの候補です。こうした説明のガットは、スマッシュの速さや打ち込みの強さを重視した設計であることが多く、打球感は硬めになります。

たとえばヨネックスは、BG80パワーを「しっかりした打球感、スピード&パワースマッシュ。」と説明しています。こうしたガットが悪いわけではなく、スマッシュを強く打ちたい人には合う設計です。ただ、肘の負担が気になるときには、柔らかさを説明しているガットに替えて比べてみる価値があります。

ガットを替えるときは、テンションは同じにして比べてください。ガットとテンションを同時に変えると、どちらの影響なのかわからなくなります。ガットを替えて違和感が減らないようなら、次の見直し③に進みます。

見直し③:グリップの太さとラケットの重さ

ガットとテンションを見直しても気になる場合は、ラケットの側を確認します。

グリップの太さ。 グリップが細すぎると、ラケットがぶれないように強く握りしめやすくなります。握る力が強い状態で打ち続けると、前腕から肘にかけて力が入りっぱなしになる、と言われています。グリップテープを重ねて巻いて少し太くするだけでも、握りやすさは変わります。自分のグリップが細すぎるかどうかは、ふだんの握りで確かめられます。軽く握ったときに、指先が手のひらに強く食い込むほど深く握り込めてしまうなら、細すぎる可能性があります。打ったあとに手のひらや指に力が入ったまま抜けにくいと感じる人も、一度太さを見直してみてください。太さの選び方や太くする方法は、グリップの太さの記事で説明しています。

ラケットの重さ。 重いラケットは、シャトルに勢いをつけやすい一方で、振るたびに腕に負担がかかります。長時間の練習で、後半になると腕が重く感じるなら、今のラケットが自分にとって重すぎる可能性があります。ラケットの重さの表記(3U・4Uなど)の意味と選び方は、ラケットの重さと長さの記事で詳しく扱っています。

ラケットの技術。 前の節で紹介したように、ヨネックスは打球時の衝撃を腕や肘に伝わりにくくすることを狙った素材を公開しています。ラケットの買い替えを考えるときは、こうした技術について説明しているモデルかどうかを、メーカーの製品ページで確認するのも1つの方法です。

ラケットの買い替えは費用がかかるので、まずはテンションとガット、グリップの太さといった手軽なものから順に試すのがおすすめです。

製品別の解説

ライゾニック フィール70 BSRF70(ゴーセン)

ゴーセンのライゾニック フィールシリーズの、太さ0.70mmのガットです。メーカーは「高反発+ホールド感のナイロンマルチガット」と説明し、特殊コーティングにより、ライゾニックシリーズの弾き感を維持しつつ「柔らかな球持ちで繊細なタッチを可能にしました」としています。素材はナイロンマルチで、メーカーの適正テンションは20〜30ポンドです。カラーは9色あります。

向いているのは、柔らかい打球感と切れにくさを両方ほしい人です。太めの0.70mmなので、テンションを下げて張る場合でも切れにくさとのバランスを取りやすいガットです。気をつけたいのは、メーカーの適正テンションが20ポンドからになっている点で、それより低く張りたい場合は店に相談してください。価格帯は1,000円台半ばです。

柔らかい打球感と切れにくさを両立させたい人は、まずこの1本から試してみてください。

ライゾニック フィール66 BSRF66(ゴーセン)

同じライゾニック フィールシリーズの、太さ0.66mmのガットです。メーカーの説明はフィール70と同じで、特殊コーティングによって柔らかな球持ちと繊細なタッチを狙ったガットです。素材はナイロンマルチ、メーカーの適正テンションは20〜30ポンドです。

向いているのは、柔らかい打球感がほしいけれど、反発も欲しい人です。0.70mmと比べると細いため、一般に反発を感じやすくなる一方で、切れやすくなる傾向があります。フィール70を使ってみて「もう少し飛びがほしい」と感じたら、こちらに替えて比べるという使い方もできます。価格帯は1,000円台半ばです。

柔らかさと反発のバランスを取りたい人に向くガットです。

強チタン BG65TI(ヨネックス)

ヨネックスの太さ0.70mmのガットです。日本の公式オンラインショップでは「オールラウンドな高性能。」と打ち出され、表面のハイドロチタン複合コーティングについて「高い耐久性と反発力を実現する」と説明されています。ヨネックスの海外公式サイトでは、このコーティングが「シャープだが心地よい打球感(sharp but comfortable feel)」をもたらすと説明されています。芯糸・側糸ともにハイポリマーナイロンで、日本製です。

向いているのは、ヨネックスのガットで、太めで切れにくいものを選びたい人です。ゴーセンのフィールシリーズのように柔らかさを前面に出したガットではなく、「シャープ」と「心地よさ」の両方を説明しているガットなので、硬すぎる打球感のガットから少し柔らかい方向に替えたい人の候補になります。価格帯は1,000円台半ばです。

ヨネックスの中で、太めで打球感の心地よさも説明されているガットを選びたい人に向きます。

ガットとサポーターの使い分け

肘の負担が気になるときに、サポーターを検討する人も多いと思います。ガットとサポーターは、どちらか一方を選ぶものではなく、順番に考えるものです。

まずは、この記事で説明したように、テンション・ガット・グリップ・ラケットといった道具を見直します。道具は、打つたびに腕に伝わるものそのものを変えられるからです。そのうえで、練習中の違和感が気になる場合に、サポーターを追加で使う、という順番がおすすめです。

サポーターには、肘の下(前腕)をベルトで押さえるタイプや、肘全体を覆うスリーブタイプなどがあります。どのタイプが合うかは、違和感のある場所や使う場面によって変わります。肘のサポーターの種類と選び方は、肘のサポーターの記事で詳しく比べています。

サポーターも、ガットと同じく、痛みを治す道具ではありません。痛みが続く場合は、道具を選ぶ前に医療機関で相談してください。

道具で解決しないこと

ここまで道具の見直しについて説明してきましたが、道具で変えられることには限りがあります。次のような状態があるときは、道具を替えて様子を見るのではなく、整形外科などの医療機関に相談してください。

  • 安静にしていても肘が痛む
  • 肘のまわりが腫れている、熱を持っている
  • 物を持つ、ドアノブを回す、タオルをしぼるといった日常の動作で痛む
  • 痛みがだんだん強くなっている
  • しびれがある
  • 道具を見直しても、2週間以上違和感が変わらない

痛みがあるまま練習を続けると、フォームが崩れて別の場所に負担がかかることもあります。痛みが続く場合は、整形外科などの医療機関に相談してください。けが全般の予防や、練習前後に気をつけたいことは、ケガ予防の記事にまとめています。

まとめ

  • 肘が気になるとき、道具で見直すのは「テンション → ガット → グリップとラケット」の順番
  • テンションは1回の張り替えで1〜2ポンドずつ下げる。ラケットの推奨範囲の下限より下げない
  • ガットは、メーカーが「柔らかな球持ち」などと打球感を説明しているものを選ぶ。太さだけで判断しない
  • グリップが細すぎる、ラケットが重すぎると、力みにつながりやすい
  • サポーターは、道具を見直したうえでの追加の選択肢
  • 安静にしていても痛む、腫れがある、日常の動作で痛むときは、道具ではなく医療機関へ

道具を1つずつ見直していくと、今の自分に合う組み合わせが見えてきます。

一緒に打つ相手を探すなら

道具を見直したら、無理のないペースで打てる練習会で感触を確かめるのがおすすめです。自分に合う強度で参加できる場所を探してみてください。

バドミントンオフで練習会・オフ会を探す

タイトルとURLをコピーしました